前回の東洋医学の記事では
パニック障害に効く食べ物」を探す前に、まず胃腸をととのえることが大切という話をしました。

東洋医学では、胃腸は食べ物を消化・吸収し、

身体を動かすエネルギーである「気」や、身体をうるおし養う「血」を作る土台だと考えます。

今回は、その中でも「血」に注目してみたいと思います。

血が不足している状態「血虚」とは?

東洋医学では、身体をうるおし養う「血」が不足しているような状態を「血虚」として見ます。

ここでいう「血」は
西洋医学でいう血液そのものだけではなく、身体に栄養やうるおいを届け、心身を落ち着かせるような働きも含んだ考え方です。

血虚のサインとしては、たとえば次のようなものがあります。

  • 食事量が少ない、好き嫌いが多めである
  • 胃腸の調子が良くないことが多い
  • 顔色や唇の色が薄い
  • 月経の量が少ない、色が薄い
  • 爪が割れやすい
  • 目が疲れやすい、視力が悪化している
  • 眠りが浅い、不眠気味である
  • めまいや立ちくらみがある
  • 手足がしびれたり、つりやすい
  • 手術、出産、または大きな怪我をしたことがある

もちろん、これだけで体質を決めることはできません。

でも「最近ちょっと消耗しているかも」「身体を養う力が足りていないかも」と気づくための目安にはなります。

パニック障害や不安と「血虚」

パニック障害や不安が強い方の中には
眠りが浅かったり、疲れが抜けにくかったり、いつもどこか緊張していて休まらないと感じる方もいます。

不安があるとどうしても脳が休まらず、身体も心も消耗しやすくなります。

こうした「消耗している身体」を見るときに、血虚という視点が役に立つことがあります。

前述のリストに当てはまることが多くて血虚かも?と思うときは

「少し立ち止まって、身体を養うことが必要なサインかも」と考えてみると良いかもしれません。

血虚を支える食材

血虚の養生では、「血」を補う食材である養血類や、身体にうるおいを支える食材である滋陰類を取り入れていきます。

分類食材
養血類当帰、熟地黄、何首烏、白芍薬、阿膠、にんじん、ほうれん草、ライチ、レバー、いか、たこ、龍眼、豚ハツ
滋陰類麦門冬、百合、沙参(ツリガネニンジン)、桑椹、枸杞子、アスパラガス、黒ごま、松の実、きくらげ、卵、すっぽん、豚肉、牛肉、牛乳、なつめ、ぶどう、桃

この中には漢方薬に使われる生薬も多く含まれています。
日常の食事として取り入れるなら、まずはスーパーで手に入りやすい食材から始めるのがおすすめです。

たとえば、

養血類では:にんじん、ほうれん草、レバー、いか、たこ

滋陰類では:黒ごま、きくらげ、卵、豚肉、牛肉、牛乳、なつめ、ぶどう、桃

このあたりは、日々の食事にも取り入れやすいと思います。

たとえばこんな薬膳

血虚を支える薬膳は、特別な料理でなくても大丈夫です。

たとえば、ほうれん草とにんじんを入れたスープ。
そこに黒ごまを少し足すだけでも、血を養う一品になります。

また、レバーが苦手でなければレバニラ炒めはもちろん、焼き鳥屋さんでレバー串をテイクアウトするのも便利ですね。

きくらげ、卵、豚肉を使った中華風炒めものも血虚向けの薬膳おかずとして取り入れやすいです。

季節によってはぶどう、桃などを食べるのもいいですし、

「本当に疲れた!」と感じる時には、薬膳的にはスーパーフードであるなつめがオススメです。少し値は張りますが、ここぞという時には試してみてください。

まずは「補う」より「消耗させない」

血虚の養生というと「何を食べれば血が増えるのか」と考えたくなります。

もちろん食べものも大切ですが、それと同じくらい大切なのは「これ以上消耗しすぎないこと」です。

睡眠不足、考えすぎ、無理な予定、過度な緊張が続くと、脳や身体に確実に疲れが溜まっていってしまいます。

血虚のサインがあるときは、食べものを足すだけでなく、休む時間を少し増やすことも大切な養生だと考えています。

というわけで、本日は血虚の薬膳を紹介しました。

薬膳は、特別な料理を完璧に作ることではありません。

今の自分の状態を見て、身体が必要としているものを少しずつ選んでいくための知恵です。

小さなセルフケアを積み重ねながら、少しずつ「大丈夫かもしれない」と思える身体を一緒に育てていけたら嬉しいです。

RUISA

注意すること

強いめまい、動悸、息切れ、月経過多がある場合や貧血を指摘されている場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。