touch treeの薬膳は、ただ健康になるための食事を紹介するというものではありません。

以前にも書きましたが、薬膳料理や漢方薬は、「よさそうだから何となく取り入れる」よりも、自分の状態に合わせて選ぶことが大切です。

他の人に合っていたものでも、自分の状態に合っていないと、期待した変化につながりにくいことがあります。

東洋医学として自分の体調を整えることに役立てたいのなら、まずは自分の状態を知ること。

そのうえで、今の自分に合う食材や養生を選んでいくのが、薬膳の効果的な取り入れ方だと思います。

薬膳に対するイメージと実際

さて、薬膳といったらまずは何を想像するでしょうか?

中華料理屋さんで出てくる真ん中で2つに仕切られた薬膳鍋、いろいろな木の実や根っこが浮いているスープ、聞いたことのないスパイスの数々。そんなものを想像されるかもしれません。

しかし実際の薬膳は、身近な野菜・肉・きのこ・果物などの組み合わせで十分にできるものです。

身近な食材だからこそ、ちょっとした知識を持てば今の自分の状態に必要な料理が作れます。

touch treeの薬膳では、近くのスーパーで手に入る食べ物を中心にお伝えしますし、調理方法も簡単であればあるほど良いと考えています。

薬膳の基礎知識

ここで少しだけ薬膳の基礎知識をご紹介しますね。

東洋医学では、食物は「四性・五味」を持つと考えられています。
少し難しい漢字もありますが、なんとなくのイメージを浮かべてもらえたらOKです。

まずは四性です。

  • 熱性→身体を大いに温め、興奮させる作用をもつ。
  • 温性→身体を温め、興奮させる作用をもつ。熱性よりは弱い。
  • 涼性→身体を冷やし、鎮静・消炎させる作用をもつ。寒性よりは弱い。
  • 寒性→身体を大いに冷やし、鎮静・消炎させる作用をもつ。
  • 平性→身体を温めも冷やしもしない性質。

次に五味です。

  • 酸味→収斂(ものを引き締める)、固渋(ものを固め、出し渋らせる)
  • 苦味→燥湿(余分な水分を除く)、清熱鎮静(胸部の熱を除き、精神安定を図る)
  • 甘味→弛緩(筋肉や精神の緊張をゆるめる)、滋養強壮
  • 辛味→発散、発汗
  • 鹹味(しょっぱい味)→軟化散結(硬いしこりをやわらかくする)、通便

※最初から全部理解しなくても大丈夫です。まずは「食べ物にも、身体を温めるもの・冷ますもの・補うものがあるんだな」くらいで十分です。

薬膳では、今の自分の身体の状態を観察して
そこに足りないものを補い、余っているものを取って全体のバランスが取れるように料理を組み立てていきます。

たとえば梅雨の時期で、「頭が重だるい・足のむくみがある」という時には燥湿作用のある「苦味」をもつ食材を使って余分な水分を取る。

また、夏真っ盛りで身体が暑くてしょうがないという時には寒性または涼性の食材を使って身体の熱をすこし冷ます。

そうやって自分の身体と相談しながら食べ物を決めていく考え方です。

薬膳の食材事典を一冊手元においておくと、身近な食材の「四性・五味」がすぐに調べられて便利です。ぜひやってみてくださいね。

胃腸をととのえる薬膳

さて、前置きが長くなりました。

今日の本題の「胃腸をととのえる薬膳」をご紹介したいと思います。

なぜ胃腸をととのえるのが大事かは関連記事を見てみてくださいね。

まず取り組みたいのは、お腹を冷やしすぎないことです。

東洋医学では、胃腸は食べ物から「気」や「血」を作る土台と考えます。

そのため、冷たいものの摂りすぎや、胃腸に負担のかかる食べ方が続くと、食べ物を受け取る力が落ちやすくなると考えます。

「頭寒足熱」という言葉があるように、頭はのぼせすぎず、お腹や足元は冷やしすぎない。

そんなイメージで、まずは胃腸をいたわる食べ方から始めてみましょう。

取り入れていきたい食べもの

下記は、東洋医学で「補気類」とされる食材です。

補気類とは、身体を動かすエネルギーである「気」を補い、胃腸の働きを支える食材のことです。

特別な食材ばかりではなく、ふだんの食卓に取り入れやすいものもたくさんありますよ。

分類食材
補気類うるち米、もち米、オートミール、長芋、じゃがいも、さつまいも、南瓜、キャベツ、カリフラワー、インゲン豆、しいたけ、栗、桃、なつめ、鶏肉、牛肉、豚の胃袋、うなぎ、さば、いわし、かつお、たちうお、すずき、たら、さめ、水あめ、はちみつ

たとえばこんなレシピ

上の食材リストを眺めていると、なんとなく浮かんでくる料理名がありませんか?

たとえば「じゃがいも・カリフラワー・インゲン豆・鶏肉」を入れた具沢山お味噌汁はいかがでしょう?

それに「鯖の塩焼き」や「かつお」「たら」などを組み合わせるだけで献立が出来上がります。

特に「長芋」は滋養強壮の作用が強力だと言われています。

最近はスーパーで、すりおろされてパックされた長芋が売られているので、それをごはんにかけるだけで、とても美味しいとろろごはんを食べることができます。

touch treeの薬膳では、このように食材リストを眺めているとだんだん浮かんでくる、簡単な薬膳のアイデアを紹介していきます。ぜひ構えずに、気軽に取り入れてみてくださいね。

薬膳も、自分のためのひとつのセルフケアです。

小さなセルフケアを積み重ねながら、少しずつ「大丈夫かもしれない」と思える身体を一緒に育てていけたら嬉しいです。

RUISA